Taqueria ABEFUSAI
Taqueria ABEFUSAI
口に入ったタコスの味の広がりでは、アベフサイの右に出るタコスはないだろう。
見た目は小さく、シンプルなカルニタス(豚のほぐし煮)だが口に入れた途端、
その見た目からは、想像もできない小宇宙を口の中に感じることができる。
北海道でたくましく育った放牧豚の味の強さ。
八列トウモロコシを粒から臼で挽き、常にベストに焼き上げたトルティージャ。
濃厚なトマトをふんだんに使ったサルサに、独特なヴェルデソース。
そして、全ての味を繋げるワンポイントのパイナップル。
噛むごとにそれぞれの味が混ざり合い共鳴する。
うまい!
固定の店舗を持たない彼のタコスを食べるのは貴重であり、
食べた時の喜びは何物にも代えがたい。
Taqueria ABEFUSAI
1996年のDF(メキシコシティ)、今はなきAvenida Hotel横のTaqueria 。
雑多な通りの小さく庶民的な店に大きな影響を受け、タコスを作っています。
旅を通じて影響を受けたカルチャーから、私たちなりの“no border”スタイルに。
アメリカ・メキシコ・日本の3ヶ国での体験を1つに編み込み融合したタコスです。
心をこめた全て手作りのタコスが、様々な人に繋がればと願います。
在来種の八列トウモロコシ粒を使用し、灰で煮る古代マヤの伝統的スタイルのトルティージャを作っています。
灰は古くから日本酒など日本の発酵文化に関わりもあり、その他農業、染物、陶芸、和紙、料理、藤布など様々な伝統文化に利用されてきています。
メキシコでも今は、灰ではなく水酸化カルシウムを使って煮るのが主流となった為、日本でもメキシコでも稀なトルティージャかもしれません。
Photographer: Kuniaki Sasage (http://vbsp.net)
Text: Texta (Radiall)